FF7(原作)久々クリア感想
さて、先日FINAL FANTASY Ⅶの原作(Switch移植版)を12年振りにクリアしました。
おさらいのつもりでプレイしたので始めは記事にするつもりもなかったのですが、色々と新たな発見があったので感想を書こうと思います。
ちなみにswitch移植版は公式チート機能が備わっており、エンカウントなし、3倍速、HPMPリミット常時MAXといった機能がズラリ。本来はこういった機能は使わない主義なのですが、シナリオのおさらい目的なのでフル活用致しました。
今回の記事では本作における以下の2つの魅力について語ろうと思います。
人々の「愚かさ」と「皮肉」を描いた作品
本作は主人公クラウドが反神羅組織「アバランチ」に雇われ、魔晄エネルギーを吸い取り星の命を縮める神羅カンパニーと戦う所から始まります。作中ではほぼ一貫して「神羅=悪役」のイメージで描かれていましたが、ではそれと対峙するアバランチは正義のヒーローなのか?
そんな事はありません。どんな理由があっても彼らのやっている事は無関係な人々を大勢巻き込んだテロです。現代社会に置き換えても、例えば原発反対派が爆破テロなんて起こしたら単なるやばい奴らですからね・・・。
ただ、勿論神羅も悪い。無計画な魔晄の吸出しのみならず、反抗する人々を武力で押さえつけ、事実上の独裁政治を行っている訳ですからね。
上記の通り、敵味方含めて人々の身勝手さや愚かさを描いたのがこの作品の醍醐味でしょう。そしてこれが顕著に表れるのがメテオ襲来後。
クラウド一行と神羅による盛大な足の引っ張り合いを始めるのです。これまでの確執を一度忘れて協力し合わねばならない局面であるにも関わらず、です。実際、敵対している神羅の力がなければ2体のウェポン撃破も大空洞のバリア破壊もなりませんでした。クラウド達だけの力ではとても星は救えない。
もちろん神羅も神羅。魔晄キャノンのエネルギーによってミッドガルが吹き飛ぶかも知れない時に、よりにもよってそれを妨害するスカーレットとハイデッカー。そんな事をすれば自分達の身も危ないと言う事を彼らは理解していたのでしょうか?しかも理由は完全に私怨。
ですが、これこそが人間の本質なのかも知れません。
昨今のコロナ騒動を見ればお分かりになるでしょう。未曾有の危機に際して足の引っ張り合い、責任の押し付け合いをしている光景が日本で、いや世界各地で見られます。
「自我」の脆いキャラクター達と、その魅力
本作をプレイする最中、今年の大河ドラマ「麒麟がくる」に関する、とある面白いレビューを思い出しました。
なぜ全く関係ない時代劇のレビューの話が出てくるのか?内容を簡単に説明しますと
美濃の戦国大名、斎藤道三とその息子、高政の親子対立を描いた回のレビュー。父親を嫌う高政はとあるきっかけで、自分の本当の父親は道三ではなく、先代の美濃守護であった土岐頼芸ではないかと疑念を抱くようになります。厳密に言えば、そうではないと分かっていながらもそうであって欲しいと考えるようになります。
高政からすれば、成り上がりの嫌われ者である道三より、源氏の血を引く土岐頼芸が父親である方が都合がいいので、その事を家臣達に言いふらすようになるのです。
ここからが本題で、先ほどのレビューではこの高政の行為を「自我の欠けた人間が自らを虚像で埋める愚行」と評したんですよね。これ、FF7のキャラクター達にも似たような事が当てはまると思ったんですよ。
本作はクラウドをはじめ、メインキャラクターはメンタル的に強いとは言い難い人物達です。クラウドに関しては「ジェノバの能力によって他者の記憶とリンクした」とありましたが、自らの記憶や過去、更には感情を都合のいいように偽ったりすり替えたりするのは人間が本来持つ能力なのです(そういった意味ではジェノバの能力はそれらを増幅するものと言えます)。
例えばティファ。
クラウドの記憶探しで発覚する事ですが、クラウドにとって彼女は幼馴染でも何でもありません。給水塔の約束をするまでは近所に住んでいながら会話もした事のない、ただの「知り合い」です。
幼い頃から少年達に囲まれチヤホヤされてきたティファ。しかし彼女の台詞から、その少年達も村を出て行ったのでしょう。そんな時に突然決意を打ち上げたクラウドを「自分を見ていてくれる人物」だと認識し始める。そしてクラウドの情報を追っかけていく内に、いつの間にか彼女の中で自らを「クラウドの幼馴染であり理解者」であると偽るようになります。これも「虚像で埋める」行為。だからクラウドにどうしても依存してしまうし、精神的な脆さが露呈する。
バレットにも似たような事が言えます。
バレットが神羅と戦う動機は「復讐」です。星の命を守るなんて二の次三の次、聴こえのいい後付けの大義名分に過ぎません。ですが彼の言動を見ていると節々に、思ってもいない「星の為」と言う台詞が出てきます。それが顕著に表れたのがこのケットシーとのやりとり。
この台詞はコレルプリズンで「復讐がしたかっただけ」と懺悔した後の台詞。バレットの正体は「手段を選ばない復讐者」なのですが、彼は自らを「星を救う英雄」であるといつの間にかすり替えているのです。
クラウドだけでなく、ティファもバレットも自分を飾り、すり替えてきた。しかし旅の中で少しずつ「自我」を確立してきた筈です。だからこそセフィロスとの決戦前に、「戦う理由を整理する」と言うクラウドの提案は、メンバー達にとって必要な儀式ではなかったのでしょうか。
総評
さて、これまでキャラクター達の欠点を指摘してきましたが、これは別にキャラをdisってる訳ではなく、むしろこの欠点こそが彼らの魅力と言えます。
理想的な人物像を描けばそりゃあカッコいいでしょう。ですがそれはどうしても作り物っぽく見えてしまい、リアリティに欠けてしまうもの。
しかし本作のキャラクター達は目に見える身勝手さや欠点も持ち合わせており、だからこそ人間味があります。自分を飾ろうとして付けていた仮面が、いつのまにか本来の自分であると錯覚し、苦しむ姿に覚えのある方は多いのではないでしょうか?
こう言った人間の本質、そして現代を予見したかのような社会問題への風刺と、それと向き合っていく人々。これこそが、このファイナルファンタジー7という作品の奥深さ、魅力なのだと気付かされました。
初プレイの10代の頃にはとてもこのような考え方は出来ませんでした。大人になってから新たな視点でプレイしたからこそ気付いた発見。そんな味わい深い作品であり、だからこそこれだけ長きに渡って愛され続けた作品と言えるのでしょう。
プレイされた事の無い方は勿論、昔にクリアされた方も、久々にプレイしてみませんか?
それでは今回はこれにて。
FINAL FANTASY Ⅶ REMAKE クリア後感想
皆さんこんにちは。
先日、FINAL FANTASYⅦ(FF7) REMAKEをクリアしましたのでその感想記事を書こうと思います。本作品及び原作のミッドガル脱出部分のネタバレはあるものの、原作のその後の展開や派生作品に関するネタバレはない・・・はず。
購入までの経緯
さて、本作はタイトル通り、FF7のリメイク作品です。しかし本作が発売されるまでには非常に長い道のりがありました。
原作であるFF7は1997年に発売され、FFシリーズの中でも特に根強い人気を誇る名作です。なので現代風リメイクの制作はファンからも強い要望がありました。そして今から5年前の2015年、ついにリメイクの制作発表が行われたのです。
当時はまだ「制作発表」だけでしたし「まあ恐らく20周年記念になる2017年頃になるだろうな」と予想していたのですが・・・
その2017もとっくに過ぎた2018年秋頃、「そういやFF7リメイクって結局どうなったんだ?」と思って調べてみたところこんな記事が。
・・・発表から3年経ったのに全く進んでいなかった模様。もはや永遠に出ないのではないかと軽く絶望していましたが、翌年の2019年に待望の発表が。
「ついに!と言うかようやく発売か!」と楽しみにしていたのですが・・・
この時(もしかしたらもっと前から決まっていたのかも知れませんが)に分作である事が判明しました。しかも全体の6分の1くらいの内容量であるミッドガル脱出編までしかない。
正直、この時には購入するつもりはありませんでした。どうせ完全版が後になって出るだろうと。完結してから一気にやるかなと。しかし、いざ発売してみると大変評判が良かったので意を決して購入。随分前置きが長くなりましたがここからが感想です。
進化した映像とBGM
リメイク作品における一番のウリと言えばやはりこれでしょう。原作であるFF7はシリーズ初の3D作品であった為、カクカクの素朴なポリゴンでしたが、23年経って美しい映像で蘇るのです。
街中だけでなく神羅ビルから見下ろす景色やエアリス宅の花畑など美しい風景がズラリ。映像への力の入れようが伺えます。
また、原曲の雰囲気に忠実なBGMアレンジも良い。FF7メインテーマのアレンジとか非常に好きです。
一方で、ダンジョンやイベントの追加によって新規で作られたBGMもまた魅力的。筆者が特に好きなのはエアリスとの深夜デートのテーマ(?)でもある陥没道路。原作では通路の一つでしかありませんでしたが、ダンジョン化に伴い追加された曲です。
大きく掘り下げられたシナリオや追加イベント
先述した通り、本作は全体の6分の1しかほどしかない内容ですが、その分ミッドガル編のみで登場するキャラクターの掘り下げや大幅な追加シナリオがこれでもかと言うくらい盛り込まれており、相当なボリュームになっています。
まず、原作では序盤で少しだけ登場し、プレート落下であっさり退場したビッグス、ウェッジ、ジェシーですが、ミッドガル編オンリーだけにこの3人の掘り下げがありました。特にジェシーに関しては実家に戻るエピソードが追加。
今作は原作ではあまり触れられていなかった、アバランチのテロ活動による「負の一面」が全面に押し出されたシナリオ。星の為と言う大義名分を掲げてはいますが、無関係な人々を大勢巻き込んだテロに変わりはありません。魔晄炉爆破によって親を失った子供が登場する時は特に胸が痛みました。
だからこそプレジデントの正論に対して反論が出来ない。勿論元凶は有限の資源である魔晄を吸い出す神羅ではありますが、バレット達のやり方は正義を振りかざした復讐に他なりません。この辺りをしっかり描かれている本作に好感が持てました。
前半~中盤にかけて、原作であったイベントの合間にやり込み要素の一つとしてクラウドの「なんでも屋」としての活動が追加。元々アバランチの作戦に参加したのもこの「なんでも屋」の依頼の一つなので自然な形のエピソード追加でしたね。
お使いイベントではありますがスキップは可能。ですが自分は結局全部やりました笑。
この何でも屋イベントも含め本作のシナリオでは「ミッドガルに生きる人々」に焦点が当てられています。それは貧しい生活を余儀なくされるスラムの人々だけではなく、敵対する神羅の社員や兵士達も含めて。 ジェシーの追加イベントでは彼女の父親は神羅の社員で元々は裕福な生活をしていましたが、魔晄炉での事故で植物人間状態になってしまった事が判明。プレートの上で生きる人々が必ずとも幸せとは限らない。
また、末端の兵士達の苦悩が描かれるのも良かった。兵士とて一人の人間。命令に背いてでも人々を逃がす姿に心打たれた方は多いのでは。
・・・と、色々と追加シナリオの魅力について語ってきましたが、その一方で水増しとも思えるイベントやダンジョンが幾つか見受けられたのが気になるところ。例えば列車墓場の幽霊イベントは必要性を感じませんでした。エアリスの過去が垣間見えるシーンではありましたが、プレート落下の危機だと言うのに呑気に描くものではなかったかと。
派生作品との整合性について
FF7はシリーズの中でも特に高い人気を誇るシリーズであり、派生作品も多数生み出されています。しかしそれらの作品はどれも後付けであり、それによって生じた矛盾はこれまでも度々指摘されてきました。詳細は伏せますが何人かのキャラクターの性格や言動など、原作と派生作品を比べると強い違和感を覚えます。
ですが本作はリメイクにあたり、各キャラクターの台詞を上手く修正し、派生作品によって生じた矛盾に対して帳尻をあわせています。勿論、全ての矛盾点を解決出来ている訳ではないものの、上手い事やったな、と思いました。
フィーラーの存在と、原作との変化
恐らく本作の最大の目玉と言っても過言ではないでしょう。クラウド達の戦いの途中で度々現れる謎の影。「決まった運命へ導く」のが役割であると説明されています。しかしプレイヤーの目線から見ると「原作とは異なる展開になろうとする流れをフィーラーが修正している」ように見受けられます。例えば五番魔晄炉爆破は、本作ではクラウドは参加しない予定でした。しかしフィーラーの出現によってジェシーが負傷し、その為に原作通りクラウドも作戦に加わる事になります。
そして本作最後の戦いはこのフィーラー、そしてシナリオの鍵を握るセフィロスとの戦いになるのですが、原作通りの流れに持ってきたフィーラーを倒してしまうと言うことは、今後の展開が原作と大きく変化する事になるのではないか?と様々な憶測や考察を呼んでいます。しかもフィーラー撃破後に衝撃の展開が。
詳細は伏せますが、なんと本作の過去が変化しているのです。
これは一体何を意味するのか?この変化が現在のクラウド達にも影響を及ぼすのか?単なるパラレルワールドなのか?現時点では分からない事だらけなので続編が気になるところ。
この改変については賛否を呼んでいますが、現時点では何とも言えないでしょう。「フィーラー=原作厨」と言われてはいますが、あくまで「星が滅びるまでの流れをつくる」との説明に作中では留められてますし、今後の展開にどう影響するかは検討もつきません。勿論、続編の展開次第では大改悪になる可能性もありますが、今の段階では吉と出るか凶と出るかは分かりません。本作の真価は続編によって決まると言っても過言ではないため、今はまだ賛とも否とも言えないのが本音です。
ゲームシステムへの感想
本作は原作のATBにアクション要素を加えた戦闘システムになります・・・が、正直言ってしまうとその出来はあまり良くない印象です。今回は難易度ノーマルでプレイしたのですが、敵のHPが無駄に高く、戦闘が冗長になりがち。その為ザコ敵戦もそれなりに時間がかかるのでテンポが悪い。アクション要素で実力を磨けばマシになるのか?と言われるとそうではなく、結局はコマンドが核になるためオマケっぽくなったのもイマイチ。
一番ストレスを感じたのはATBバーを消費したアクションを使う際、途中で攻撃を受けると不発に終わるのですが、発動はしないのにATBバーは消費する為また待たなければならないので非常にイライラしました。せめて不発なら消費しないでくれ。
あとHPゲージが細いせいで分かりづらい上、ATBバーと見間違えやすい。原作通り左右に並べてくれればそれは起きなかったはずなのですが…
戦闘以外については、本作はミニゲームが非常に多い・・・のですが、その殆どが正直、楽しくない。ただテンポを悪くしているだけのように感じました。幸い原作で好きだったバイクステージが本作も楽しかったのがせめてもの救いでしたが、それがなければミニゲーム自体撤廃してくれと言っていたかも知れません。
総評
システムや戦闘関連には色々と不満はあるものの、ミッドガル編のみとはとても思えない程の大ボリュームであり、初めは期待していなかったもののいい意味で裏切ってくれた作品でした。終盤の改変については先述した通り、続編次第なので今はまだ何も言えませんね。
ただ一つ心配な事があり、どうやらスタッフインタビューによると今後についてはまだハッキリとは決まっていない為、今後の展開がどう変わるかはスタッフ達すら分かりません。果たしてどうなる事やら。
また、これから作り始めるので最低でも2年はかかるとの事。まあ2年後といえばFF7の25周年の年ですのでその頃には出る・・・はず。なんにせよ、続編が楽しみですね!気長に待ちましょう!
・・・さて、本記事はこんなところです。
原作のFF7を最後にプレイしたのが12年も前なので内容をだいぶ忘れており、どのあたりが改変・追加要素だったか分からなくなってきたのは困りました笑。現在復習の為にSwitch移植版をプレイしています。インタビューでは「原作もやって比べてみて欲しい」との事みたいですが、まんまとその戦略にハマりましたね笑。
しかしその移植版は凄い。3倍速やエンカウントなし、HPMPリミットゲージ常時MAXと言った公式チート機能搭載のおかげでサクサク進みます。本来こう言った機能は使わない性分なのですが、おさらいにはもってこいですね。
それでは今回はこれにて。
【宣伝・報告】完結!FE烈火の剣プレイ動画・エリハー評価S
前回の記事にて紹介させて頂きましたエリハー評価S動画ですが
ついに完結致しました!
いやー、長かった。なんせ第一弾を投稿してから丸々二か月かかりましたからね。
作成を終えるまで色々と葛藤がありましたが無事、エリハー評価Sを達成。
攻略にあたってのポイントは既に動画内で解説してきましたが、今回は少し編集後記的なものを。
前記事でも書きましたが今回は初めての動画編集でして。慣れない編集作業に四苦八苦しながら作成してきました。
最初はキャプチャーボードに付属していたフリーソフトを使っていたのですが、これだと恐ろしく効率が悪かったんですね。
FEのプレイ動画は倍速が基本で、レベルアップ時は等速に戻すのが一般的。その為コマ分けして倍速にしていくのですが…フリーソフトだと複数コマを一括で倍速にする機能がない!その為一つ一つ速度を変更しなければならないのでとんでもなく時間がかかるのが辛かった…。
そんな訳で金にもの言わせてアップグレードし、一括倍速機能を使ってみたり。
一番編集が大変だったのはリン編でした。
評価の対象ではないのでカットを多用するのですが、どこまでカットすべきか考えるのが一苦労。12マップ分を一つの動画にまとめるのですから尺も考えなければいけない。その頃はまだ編集に不慣れなのもあり何時間かけた事やら…
そもそもリン編は動画にする必要があったのか?と言う疑問まで生じたくらいですので…
そして一番時間をかけて悩んだのがプレイ内容と解説ですね。
今回のサブタイトルにした「誰でも取得できる!」と言うのは最初から考えていたものではなくて、そこまで難易度の高くないエリハー評価S動画を見てもらうにあたり、引き付けるタイトルにしようと考えた結果なのです。
…ですがそんなタイトルにしてしまったのなら、ただ評価Sを達成するだけでなく、再現性のあるプレイングにしなければ意味がないんですよね。
なので極力初期上級職や、下級職も初期レベルのまま活躍させるように心がけました…まあ強く育ったフロリーナに頼りまくっている時点で再現性も何もないと言われればそれまでですが…。
CC人数を必要以上に絞ったのもその為です。育ち具合で再現出来ない、と言った事も極力避けたかったので。
そして解説文を考えるのが一番大変でした。収録よりも疲れる。頭の中で無意識に考えている事をどこまで説明すべきかの取捨選択が特に。評価プレイを何度もやっていれば自然と考えつく事も、視聴者の方に伝わらなければ意味がないのでとにかく四苦八苦しておりました。
…と、色々ありましたがどうにか完結。
コロナ騒動によるストレスもあってメンタル的にも厳しい時期ではありましたが、家にいる方が多い分見て下さった方も増えたのはそれはそれでよかったのかな?と
いずれはまたプレイ動画を作ろうと思います。
次は何らかの縛りプレイをやる予定です。
…でもその前に積みゲー消化だ…
それでは今日はこれにて
【宣伝】FE烈火の剣プレイ動画・エリハー評価S
さて、本日は少し宣伝をしようと思います。
先日、初めてFEのプレイ動画を投稿しました。プレイ内容は「エリウッド編ハード(エリハー )で評価Sを取得する」と言うもの。
FEプレイ動画の投稿は昔からの夢だったんですよね。色々な縛りプレイや高難易度プレイをニコニコ動画で見て育ってきたものですから。「いつかはやりたいな」とは思っていたのですが、実行に移さなければ何も始まらないので遂に始動した次第です。
さて、今回の評価S狙いのプレイング、実際に挑戦した方と言うのはあまり多くはないでしょう。FEのプレイスタイルは十人十色ですが、大半の方はターン数を気にせずにじっくり進めると思います。
時間をかけて慎重に攻略し、闘技場を見れば100を超えるターンを費やしてレベルを上げる。秘密の店でドーピングアイテムが売っている作品なら、闘技場で得た莫大な資金を元に大量購入し、ステータスフルカンストのキャラもいる最強軍団を作り上げる方も多いでしょう。そんなプレイの結果は、経験・資産の評価は高いが攻略評価(かかったターン数)は最低クラスに…。
とは言えクリアはクリアですし、僕自身もそんなエムブレマーでした。
しかし、最高評価狙いだとそうはいきません。
烈火の場合は「短いターンで」「全員生存させ」「多くの資産を残し」「大量の経験値を稼ぎ」「効率よく敵を倒しながら」クリアする必要があります。
…無理に決まってるだろ!と思う方も多いかも知れません。でも、考えながらプレイすれば必ず出来るんです。
最高難易度であるヘクトル編ハード(ヘクハー)で評価Sを取るのは非常に難しいのですが、エリハーであれば決して無茶な難易度ではありません。…ですがその分あまり注目されない為、エリハーSの完走動画が上がっていないのが現状です(途中で失踪したものなら見かけましたが…)。
…そこで、僕自身がその参考になるよう上げてみようかな、と。
そんなに難しくはないので縛りも入れてみようかな…とも考えたのですが、皆様の参考とするならば中途半端な縛りを入れるよりも出来うる限りの手を尽くしたものにしたかったので縛り無し+リン編経由にしました。
2〜3日に1マップくらいのペースで更新する予定ですので、是非観て頂けると嬉しいです。
ちなみに収録+編集環境ですが
キャプチャーボードはTwitterで教えて頂いたGC550+を使用
AVerMedia Live Gamer EXTREME 2 GC550 PLUS [4Kパススルー対応 ゲームキャプチャーボックス] DV482
- 発売日: 2018/06/08
- メディア: Personal Computers
ソフトは実機ではなく、wiiUのバーチャルコンソールです。
これはキャプチャーボードが3色端子に対応していないからですね。
編集ソフトは、最初はキャプチャーボードの付録であったPower director15を使っていたのですが…複数のコマを一括で倍速にする機能がなかったので、お金をかけてPower director365にアップグレードする事に。
サラリーマンにとって大事なのは
時間>>>>>>>>>>金
ですので迷いはありませんでしたw
そんな訳で、現在13章までは投稿しています。
編集自体は17章まで終わらせているので、ペースが落ちる事はない・・・はず。
楽しみにして頂ければと思います!
ヴェスタリアサーガ クリア後感想
皆さんこんにちは。
本日の記事は、加賀昭三氏が手掛けたフリーソフト、ヴェスタリアサーガをクリア致しましたのでその感想です。
シナリオ感想の部分はネタバレを多数含みますので注意。
加賀昭三氏とは?
FEシリーズを長く遊ばれている方には説明不要と思われますが念の為。加賀昭三氏はFEシリーズの生みの親で、暗黒竜〜トラキアまでの作品を手掛けた方。しかしそのあとインテリジェントシステムズ(IS)を退社しました。
その加賀氏が新たに設立した会社で2001年に「ティアリングサーガ」と言う作品を制作したのですが、FE生みの親が作ったゲームだけあって当然内容もFEに酷似したものになり、任天堂との裁判にまでなります。(この辺の経緯を示した記事様が別にございますので引用致します。https://renote.jp/articles/7810)
ちなみにこの関係で封印以降のFEを認めずティアサガやその続編のベルウィックサーガこそがFEの後継作品だと主張する派閥も現れたりしましたが…今回はその話は割愛致します。
とまあそんな感じで色々あったのですが、今回のヴェスタリアサーガ(ヴェスサガ)はなんとPCで遊べる無料の作品!
著作権的な問題で面倒事を起こしたくなかったのもあるでしょうが、かなり人を選ぶ作品であると原作者本人も認めているからでしょうかね。
さて、前置きが長くなりましたがここからが感想です。
絶妙なゲームバランス
本当に素晴らしいの一言に尽きる。流石はFEの生みの親です。バランス調整も暗黒竜~トラキアを彷彿とさせます。本作の特徴は全体的に上限が低く成長率も渋い。その為強キャラによるパワープレイが出来ず、自軍を総動員してギリギリクリア出来るバランス。また時折全軍総出撃マップもあるので、二軍がほぼ生まれないのも良いですね。上限が低いので、下級職のままでも何とか戦えますし。
また、序盤のうちから強力な専用武器がポンポン与えられ、それらをしっかり使うことが前提の難易度。勿論使いすぎて壊したら詰むので計画的な使用が求められる。この辺がトラキアと良く似ている。まあシュリの魔石もありましたし耐久に困ることはほぼなかったんですがね。
所持金も常にカツカツ。味方キャラの装備は何とか揃えられますが、買い物の時もある程度選ばないとすぐにお金が底をつくので「やりくり」が求められるのも面白い。
一方で、初見では分かり辛いイベント等が多数あり、そのせいでかなりの回数リセットしました。アコルト初見で殺さなかった人いるのかアレ・・・。何となく攻略サイト前提の情報ゲーな感じがしたので、この辺りに関しては素直には褒められないかも。
と、そんな感じなので、かなり人を選ぶゲームバランスに感じました。自分は楽しめましたが、合わない人にはトコトン合わないかも。まあ、原作者本人が「理不尽です」って言ってるくらいですしw
それでもイベントをしっかり見て、キャラを満遍なく育て、専用武器を計画的に使えばなんとかクリアできるバランス。本当に神がかっています。
壮大なシナリオ
緊張感漂うBGMが醸し出すナレーション、祖国奪還のため戦いに身を投じる主人公達。敵サイドにも過去や大義があるドラマ。FEのタイトルはついてはいないものの、まさにFEそのものと言える王道の戦記物。
追われる身となったゼイド公子一行が祖国に戻るまでの過程や苦難がこと細かに描かれているのが良い。ベネキア動乱→ソリス戦乱→祖国奪還のプロセスの中でシナリオの全容が少しずつ見えてきて、その中で仲間も増えていく。特にもう一人の主人公といえるシルティンの成長物語が好きでした。
また、子世代はいませんが本作は凄く聖戦をオマージュしたように思えました。出番は少なかったもののバレリウスとか「まんまアルヴィスじゃん!」とか思ったり。暗黒教団を認めながらも表舞台には立たせようとしないところとか。
3部作のうちの第一弾のためか、終わり方としてはあまりスッキリしなかったので第二弾であるヴェスサガ外伝が気になるところ。ツイッターで言われて気づいたけど、紋章の謎のバッドエンドみたいな終わり方。救出したゼクス兄上とか絶対偽物だよねあれ。
自分はてっきりゼクスがゼイドの活躍を認め、ゼイドをアトルの婿にする事で王に就任させ、自分はレデッサ公爵、つまり一家臣として仕える展開になりめでたしめでたし・・・で終わるものだと思っていましたが、想像以上に不穏なラスト。
外伝をまだプレイしていないので的外れな憶測かも知れないけど、捕虜収容所で見つかったゼクスは偽物で、15章でアトルを助けたゾイが本物のゼクスなんじゃないか?と勝手に思ったり。なんにせよ続編が楽しみです。
やや不親切なゲーム設計
ここからは不満点になりますが、本作のUIは正直良いとは言い難かったです。一番困ったのが戦闘アニメを早送りにする為にBボタンを押しっぱなしにしているとマップ上の会話まで速攻で飛ばされてしまう事。本作はイベントの回収が特に重要になるので、うっかり会話を見そびれてのリセットは非常に苦痛でした。
あと敵の攻撃範囲を固定出来ないから何度も確認しないといけないのが地味に不便…ドットとは言え最近の作品なのですから操作性は充実させて欲しかったところ。
シナリオ面・聖戦初見プレイの時も感じたのですが、冒頭のナレーションで世界観の説明もせずいきなり固有名詞を大量に出してくるものですから頭がパンクしそうになりました。せめてどんな国があるのかサラッとでもいいから一番最初に説明が欲しかった。勿論、シナリオが進むにあたって細かな解説もあり、最終的にはおおよそ頭に入るのですが…難解で理解するのに時間がかかるのは確か。
まあ、これらの「不親切さ」もある意味加賀さんの味と言えば味ではあるかも知れません笑。だからこそあえてフリーソフトにしたのかも知れませんが。
総評
フリーソフトとは言えこちらからお金を払いたいと思えるくらいの神ゲーでした。モヤモヤの残る(あえて残している)終わり方なので外伝も凄く気になるのですが…尋常じゃなく体力と集中力を要するゲームなので当分はやりたくない笑
今年中には着手したいところですね
ありがとうございました
風花雪月 紅花の章におけるスカウトキャラの寝返り動機について
先日、風花雪月の支援会話を(ほぼ)埋め終えました。引き継ぎを使えばスカウトもクリアも楽勝ですのでそこまで時間がかからなかったですね。
その中でもう一つ、紅花の章に分岐するにあたり、スカウトキャラ達の寝返り動機についてまとめてみました。本作のスカウトシステムは学級の引き抜きに留まらず、戦争編である第二部でも自陣営で戦ってくれます。
しかしこの紅花の章では「このキャラが帝国に付くには無理があるんじゃないか?」と思うキャラも何人かおりますので、それぞれ焦点を当てて解説していきます。
- 違和感なく加入に納得出来るキャラクター
- 動機は見当たるが言動に違和感がある・もしくは描写不足だと感じたキャラクター
- 明らかに無理のある・納得出来ないキャラクター
- マリアンヌについて
- ヒルダについて
- いなくなったあの人は・・・
違和感なく加入に納得出来るキャラクター
ローレンツ
グロスタール家は親帝国派ですので何ら問題はありません。銀雪や蒼月の章ではスカウトしていても帝国の援軍として敵対する程ですし。
なお紅花の章ではスカウトしなかった場合登場しません。
ラファエル・イグナーツ
しがらみのない平民ですので二人も問題ありませんね。士官先が帝国になっただけの話です。
メルセデス
仮拠点での彼女の台詞ですが、「今の教団のやり方は女神が望んでいたものではない」とはなかなか本質を突いた一言ですね。
エーデルガルトが戦いを挑む相手はセイロス教会と言う「組織」であって、(本心で言っているかどうかはさておき)女神の事を否定している訳ではありません。今の教会に不信感を抱くのであれば敬虔なセイロス教徒であるメルセデスが教会に刃を向けてもなんらおかしくはないのです。
もう一つ、彼女の場合は弟のエミール(イエリッツァ)がいる事も大きいですね。
また少し穿った味方をすれば、このどさくさで養父の呪縛から逃がれる狙いもあったかも知れません。
動機は見当たるが言動に違和感がある・もしくは描写不足だと感じたキャラクター
リシテア
「紋章至上主義の改革」を望んでいますのでエーデルガルトに着くのは自然ではありますが、帝国への不信感も大いにあるはずなのでこの時点で帝国に付くのは違和感があります。
彼女の場合、たとえスカウトしなくても(なんなら支援レベル一切上げなくても)二部でスカウト出来ますので、一度この時点で離脱させて二部で再加入させた方が自然だったのではないかと思います。
エーデルガルトとの支援会話では信頼関係がしっかりと描かれていますので、支援Bまで上げていれば残留、とかでも良かったですね。
レオニー
「ジェラルトとの約束を果たす為に主人公を守る」と言うのが一番の動機ですが…
これ、一見筋が通っているように見えますがそうではありません。なぜなら彼女は炎帝=エーデルガルトに対する不信感を募らせているからです。特に他のルートではエーデルガルトを完全にジェラルトの仇と断定しているくらいですし。
「例え仇の側に付くことになっても約束は約束」とも言えますが、それならば何故スカウトしなかった場合敵対したのか?それも裏切り者呼ばわりしてきてまで。この辺の一貫性のなさが納得出来ない。
ジェラルトがレアを怪しんでいた事は知っていたようですが、それだけでは足りない。「詳しい事は聞いてないけど」で流していい問題ではないはず。
分岐の時点で一時離脱させるか、あるいは残留する際エーデルガルトを問い詰める描写等が欲しかったところです。
アッシュ
「ロナートやクリストフを死に追いやった教会への不信感」が主な動機ですが、これも筋が通っているように見えてそうではありません。彼もレオニー同様エーデルガルトへの不信感があるはずです。ロナートの死因となった西方教会の反乱に炎帝が関与していたのは明らかですので(特に女神祭壇の儀の時なんて配下の死神騎士が思いっきりいた訳ですし)。
彼もまたエーデルガルトを問い詰める描写が欲しいですね。
シルヴァン
エーデルガルトの掲げる「紋章至上主義の撤廃」はシルヴァンが帝国に付くには充分な動機と言えます。彼自身紋章に苦しめられてきましたし、兄のような犠牲者を出さない世界を作りたいと思っているはず。
問題は彼の口からその事が語られる事は一切なく、終始「先生を信じる」の一点張りである事です。家族や友人を裏切る理由がただ主人公についてきただけ、ではとても納得できません。誰を敵に回してでも紋章で苦しむ事のない世界を作る、と言った覚悟の台詞が欲しかったです。
特にシルヴァンは主人公が女性の場合無条件でスカウト出来るので「巨乳に釣られて祖国を裏切ったのかよww」とユーザーに言われるのが何とも…。
フェリクス
彼に関しては後に紹介する「明らかに無理のある・納得出来ないキャラクター」に分類すべきかかなり迷いましたがこちらにしました。
まず彼の場合、祖国を裏切る明確な動機が見当たりません。父親やディミトリとの確執はあるものの、敵同士になる程ではないでしょう。
ですが、ファーガスと言う国や騎士と言うものの在り方に思うところはあるようですし、主人公との支援では「強くなる目的がない事」について悩む側面もあります。
ただし、主人公との会話はあくまで目的を探すきっかけに過ぎないため、それだけでは不十分です。祖国を裏切り帝国に就く為にはトップであるエーデルガルトとの会話が必須ではないのでしょうか。エーデルガルトとの支援を用意し、一定以上まで上げる事がスカウトの条件とすればかなり自然な気がします。
明らかに無理のある・納得出来ないキャラクター
イングリット
祖国を敵に回すと言う選択は彼女にとってありえないでしょう。お家の為に帝国に付くべき、とは言っていますが、「清廉な騎士」を目指すイングリットの発言とは到底思えません。シナリオの都合上で言わされているように強く感じます。(なお金鹿ルートでスカウトした際のグロンダーズは、既にファーガスは滅んでいた事と偶発的な戦闘であるため裏切ったとはみなしません。三つ巴になった経緯に納得出来るかどうかはさておき)
また青ルート以外の散策ではエーデルガルトに対する憤りをみせていた所を見ると、帝国につくのは極めて不自然です。彼女の場合はヒルダのように銀雪の章に分岐するまでスカウト不可にすべきだったと思います。
アネット
帝国に付くのに最も無理があるであろう人物。
まず彼女が士官学校に入ったのはセイロス騎士団にいる父親を探し母親に会わせるため。その目的をなかった事にして帝国に付くのはあまりに無理があります。現に父親と戦うのはこの時点で嫌がっています。それに紅花の章ではドミニク家も王家に従う訳ですから家族のいる祖国を裏切る理由がありません。ただ「先生がいるから」では到底納得出来ない。
彼女も分岐までスカウト不可にすべきだったでしょう。
マリアンヌについて
彼女を上記3つに分類しなかったのはあまりにも判断材料が少ないからです。まずエドマンド家の立場が不明確。またマリアンヌは自学級にいなかった場合、第二部で敵として登場しない唯一のキャラクターなのでハッキリした事が分かりません。
もっとも、レスター諸侯同盟というまとまりのない諸侯の一角であるため親帝国、反帝国どちらになってもおかしくないこと、またマリアンヌ自身の意志としても、メルセデス同様セイロス教に敵対する事の違和感はありませんので問題ないと言っていいかとは思いますが。
ヒルダについて
先程イングリットやアネットの時にお話ししましたが、ヒルダは銀雪の章への分岐が確定するまでスカウト出来ない=紅花の章に自学級に加える事ができない仕様になっています。ですが、自分としては初めからスカウト出来るようにして良かったのではないかと考えています。分岐の時点で一時離脱し、二部で撃破後に再加入する形で。
何故かと言いますとデアドラ攻略戦では余程上手いことやらない限りヒルダを倒す事になりますが、この時点でクロードは帝国への降伏も視野に入れている為、結局ヒルダの死は完全に無駄になってしまいます。そうなるとただ後味が悪いと言うだけでなく、パルミラとの国境を守るゴネリル家との関係が著しく悪化するのが最大の問題です。外伝では例によってホルスト卿がキノコにあたって湯気を出してるといったギャグ描写になってますが、溺愛する妹を失った彼の傷心は笑い話では済まされないでしょう。ヒルダ加入が外伝出現条件になる、とかだと面白かったかも知れないですね。
いなくなったあの人は・・・
紅花の章に入った時の衝撃と言えば、みんな大好き門番くんが離脱してしまった事でしょう。帝国を飛び出したのは信心深い人物だったからではあります・・・が、先述した通り、エーデルガルトが否定しているのはあくまで教団ですので、残ってくれて良かったんじゃないか・・・と思うのです。
各キャラクターに関する考察は以上です。
本作のスカウトシステムは単なる学級移籍ではなく、生徒達のその後の人生を大きく変える重大な選択です。学生時代の多感な時期に受けた影響でその後の人生が変わった、と言った話は良くある話ですし、このシステム自体は素晴らしいものだと思います(スカウトキャラならではの戦闘会話とかもありますしね)。ただ、それであれば納得出来る動機づけ、及びその描写は不可欠です。その辺りの描写が欲しかったキャラがチラホラいたのが気になりました。
特に全体的に見渡していて思うのは、自分の人生を決める選択であるにも関わらずその動機を「先生が選んだから」と主人公に依存しているキャラが多い。平民組なら理解は出来ますが、立場のある貴族たち(特にファーガス出身者)はそれだけでは不十分でしょう。
風花雪月は細かい台詞の差分等が作り込まれており、キャラクターの魅力も光る素晴らしさを持った作品です。その一方で肝心のシナリオ本筋の描写不足や雑さが多数見られるのが非常に勿体ないところ。特に紅花の章はこのように無理のあるスカウトや修道院システムの弊害など色々と粗が目立つのが惜しい。
お気に入りの作品の一つではありますが、この辺りをしっかりしていれば文句なしだったのにな、と少し思ったりします。
それでは今日はこれにて。
トラキア776 考察・ガルザスの出生について
皆さんこんにちは。
今回はFEトラキア776のキャラクター、ガルザスについて考察してみたいと思います。内容的には聖戦の系譜、及びトラキア776の6章までクリアした時点でのネタバレを含みますのでご注意を。
ガルザスについて
ガルザスはマリータの父親であり、滅亡したリボー王家の生き残りで、シャナンとは従兄弟の関係に当たります
よってガルザスについては
①母親はシャナンの父マリクルの姉
②父親はダーナの虐殺を起こしたリボーの族長
と言うのが定説となっています…がこの2点に関しては疑問の余地がありますので考察してみます。
ガルザスとシャナンとの血縁関係に関する考察
定説によればガルザスはシャナンの父マリクルの姉の子供に当たりますので、家系図にするとこのような感じになります。()内の数字は兄弟の序列です。
これが定説とされていますが、こうして家系図にすると一つ疑問が浮かびます。ガルザスは内乱で父親を失い、幼い頃から様々な苦労をしてきたとされています。
しかしこの家系図を見れば分かる限り、ガルザスはマナナン王の孫に当たります。いくら敵対したとは言え、実の孫に苦労を背負わせる事をするでしょうか?キュアンの話ではマナナン王は立派な人物であると思われますし、保護するなり何らかの配慮はしていたはずだと思われます。勿論裏切り者の息子として肩身の狭い思いをする事にはなると思われますが、イザークを恨む程にはならないでしょう。
そもそもの疑問として、なぜ「ガルザスはマリクルの姉の子供」と言われるのか?その根拠はトラキア6章のクリア後イベントでのレイドリックと部下の会話にあります。しかしこの会話をよく見ると「親同士が姉弟」とは言っていますが「ガルザスの母親とシャナンの父親が姉弟」とは断定されていません。
よって、「親同士が姉弟」となるパターンにはもう一つあり、「ガルザスの父親とシャナンの母親が姉弟」と言う可能性があるのです。
家系図にするとこんな感じです。
こうしてみるとガルザスはマナナン王とは全く血の繋がりがない全くの赤の他人(まあオードの子孫なので遠い親戚ではありますが)と言うことになるので、ガルザスが流浪の身になるのも納得できます。
ただ、このパターンの可能性もなかなか難しいところがありますね。それは各人物の年齢の問題です。
ガルザスは776年時点で15歳の娘がいますので、およそ35~40くらいと想定、シャナンは聖戦のシグルド編開始時(757年)で7〜8歳くらいだと思われますので、776年では26〜27歳くらいでしょう。
つまり10年近くガルザスの方が年上と言う事になります…が、このパターンだとシャナンの母親の方がガルザスの父親の姉、つまり年上になり違和感があります。まあガルザスは父親が若い時の子供で、一方マリクル夫妻はシャナンが生まれるまで時間がかかった・・・と言うケースもあり得ますが、甲乙つけがたいですね。
なお「ファイアーエムブレム大全」でのガルザスは「マリクルの姉の子」とハッキリ明記されています・・・が、このFE大全は表記ミスや誤った設定記載が散見されている事と、また原作者であった加賀昭三氏が退社してから10年以上経ってから作られたものであるため、信憑性は薄いと思われます。
当時から残っていた資料にそう記載されていれば間違いないのですが、それを確認する手段はありません。大全を編集したスタッフが定説=確定だと思い込んで明記した可能性も高いです。嘘をついている、とまでは言いませんが、決定的な証拠にはならないでしょう。
リボー王家に関する考察
「聖戦の系譜」の戦いの発端となったダーナの虐殺はリボーの族長が起こしたもので、それを知ったマナナン王はグランベルとの和解の為、誠意の証としてそのリボーの族長を殺した事が聖戦1章のキュアンとアイラの会話で明らかになっております。(勿論その裏にはロプト教団の暗躍があった可能性は非常に高いですが、今回の考察ではあまり重要ではないためあえて触れません。)
そしてガルザスはリボーの王子ですので、その族長の息子であるとの見解が定説でしたし筆者自身もそう思っていました・・・が、そう考えると気になる事が二つあります。
まず一つ目。ガルザスはリボーの「王子」であり、レイドリックもリボーの「王族」と呼んでいましたのでガルザスの父親はリボーの「王」になります。しかし、聖戦でダーナの虐殺を起こした人物は「族長」と呼ばれており、王に比べるとかなりランクが下がっております。
そしてもう一つ。
ガルザスは一族の滅亡をきっかけに「幼い頃から様々な苦労をしてきた」との事ですが、これにも強い違和感があります。先ほど家系図の話でも少し触れましたが、776年時点でガルザスには15歳の娘がいるため、35~40歳くらいだと思われます。ですがその計算だと、ダーナの虐殺の起きた757年では16~21歳と言うことになり、「幼い頃」と呼ぶにはかなり無理があると言えます。
この2つから何が言いたいか?それは、ダーナの虐殺を起こした「リボーの族長」と、ガルザスの父親である「リボー王」は別人ではないかと言う事です。
ダーナの虐殺が起きるよりずっと前にリボーがイザークとの戦いに敗れ、リボーの「王族」に代わり、新たに別の人物を「族長」としてリボーを治めさせていた。しかしその「族長」がダーナの虐殺を起こしたため、それも征伐したのではないか、との憶測です。これであればガルザスがまだ幼かった事や「王」「族長」と言った呼称の違いに関する疑問も解消されますし。
・・・さて、ガルザスの父母について色々と考察をしてきましたが、勿論確信はありません。
「王」と「族長」の呼称の違いにしても、聖戦とトラキアでは細かい設定の食い違いが多数見受けられるのでその一つに過ぎないですし
ガルザスの「幼い頃」の話にしても、もしガルザスが15~16歳くらいの時にマリータが生まれたのであれば757年の時点で11~12歳ですので「幼い頃」と言っても差し支えないでしょう。かなり若くして父親になる計算ですが全く有り得ない話でもありません。
・・・なんにしてもガルザスの具体的な年齢が分かれば全てがハッキリするのですが、公式サイトを見てもイメージ年齢すら掲載されておらず、真実は闇の中です。だからこそ疑問を挟む余地があるため、考察をする楽しみも生まれるのですけどね。
長くなりましたが今回は以上です。
ありがとうございました。