ヴェスタリアサーガ クリア後感想
皆さんこんにちは。
本日の記事は、加賀昭三氏が手掛けたフリーソフト、ヴェスタリアサーガをクリア致しましたのでその感想です。
シナリオ感想の部分はネタバレを多数含みますので注意。
加賀昭三氏とは?
FEシリーズを長く遊ばれている方には説明不要と思われますが念の為。加賀昭三氏はFEシリーズの生みの親で、暗黒竜〜トラキアまでの作品を手掛けた方。しかしそのあとインテリジェントシステムズ(IS)を退社しました。
その加賀氏が新たに設立した会社で2001年に「ティアリングサーガ」と言う作品を制作したのですが、FE生みの親が作ったゲームだけあって当然内容もFEに酷似したものになり、任天堂との裁判にまでなります。(この辺の経緯を示した記事様が別にございますので引用致します。https://renote.jp/articles/7810)
ちなみにこの関係で封印以降のFEを認めずティアサガやその続編のベルウィックサーガこそがFEの後継作品だと主張する派閥も現れたりしましたが…今回はその話は割愛致します。
とまあそんな感じで色々あったのですが、今回のヴェスタリアサーガ(ヴェスサガ)はなんとPCで遊べる無料の作品!
著作権的な問題で面倒事を起こしたくなかったのもあるでしょうが、かなり人を選ぶ作品であると原作者本人も認めているからでしょうかね。
さて、前置きが長くなりましたがここからが感想です。
絶妙なゲームバランス
本当に素晴らしいの一言に尽きる。流石はFEの生みの親です。バランス調整も暗黒竜~トラキアを彷彿とさせます。本作の特徴は全体的に上限が低く成長率も渋い。その為強キャラによるパワープレイが出来ず、自軍を総動員してギリギリクリア出来るバランス。また時折全軍総出撃マップもあるので、二軍がほぼ生まれないのも良いですね。上限が低いので、下級職のままでも何とか戦えますし。
また、序盤のうちから強力な専用武器がポンポン与えられ、それらをしっかり使うことが前提の難易度。勿論使いすぎて壊したら詰むので計画的な使用が求められる。この辺がトラキアと良く似ている。まあシュリの魔石もありましたし耐久に困ることはほぼなかったんですがね。
所持金も常にカツカツ。味方キャラの装備は何とか揃えられますが、買い物の時もある程度選ばないとすぐにお金が底をつくので「やりくり」が求められるのも面白い。
一方で、初見では分かり辛いイベント等が多数あり、そのせいでかなりの回数リセットしました。アコルト初見で殺さなかった人いるのかアレ・・・。何となく攻略サイト前提の情報ゲーな感じがしたので、この辺りに関しては素直には褒められないかも。
と、そんな感じなので、かなり人を選ぶゲームバランスに感じました。自分は楽しめましたが、合わない人にはトコトン合わないかも。まあ、原作者本人が「理不尽です」って言ってるくらいですしw
それでもイベントをしっかり見て、キャラを満遍なく育て、専用武器を計画的に使えばなんとかクリアできるバランス。本当に神がかっています。
壮大なシナリオ
緊張感漂うBGMが醸し出すナレーション、祖国奪還のため戦いに身を投じる主人公達。敵サイドにも過去や大義があるドラマ。FEのタイトルはついてはいないものの、まさにFEそのものと言える王道の戦記物。
追われる身となったゼイド公子一行が祖国に戻るまでの過程や苦難がこと細かに描かれているのが良い。ベネキア動乱→ソリス戦乱→祖国奪還のプロセスの中でシナリオの全容が少しずつ見えてきて、その中で仲間も増えていく。特にもう一人の主人公といえるシルティンの成長物語が好きでした。
また、子世代はいませんが本作は凄く聖戦をオマージュしたように思えました。出番は少なかったもののバレリウスとか「まんまアルヴィスじゃん!」とか思ったり。暗黒教団を認めながらも表舞台には立たせようとしないところとか。
3部作のうちの第一弾のためか、終わり方としてはあまりスッキリしなかったので第二弾であるヴェスサガ外伝が気になるところ。ツイッターで言われて気づいたけど、紋章の謎のバッドエンドみたいな終わり方。救出したゼクス兄上とか絶対偽物だよねあれ。
自分はてっきりゼクスがゼイドの活躍を認め、ゼイドをアトルの婿にする事で王に就任させ、自分はレデッサ公爵、つまり一家臣として仕える展開になりめでたしめでたし・・・で終わるものだと思っていましたが、想像以上に不穏なラスト。
外伝をまだプレイしていないので的外れな憶測かも知れないけど、捕虜収容所で見つかったゼクスは偽物で、15章でアトルを助けたゾイが本物のゼクスなんじゃないか?と勝手に思ったり。なんにせよ続編が楽しみです。
やや不親切なゲーム設計
ここからは不満点になりますが、本作のUIは正直良いとは言い難かったです。一番困ったのが戦闘アニメを早送りにする為にBボタンを押しっぱなしにしているとマップ上の会話まで速攻で飛ばされてしまう事。本作はイベントの回収が特に重要になるので、うっかり会話を見そびれてのリセットは非常に苦痛でした。
あと敵の攻撃範囲を固定出来ないから何度も確認しないといけないのが地味に不便…ドットとは言え最近の作品なのですから操作性は充実させて欲しかったところ。
シナリオ面・聖戦初見プレイの時も感じたのですが、冒頭のナレーションで世界観の説明もせずいきなり固有名詞を大量に出してくるものですから頭がパンクしそうになりました。せめてどんな国があるのかサラッとでもいいから一番最初に説明が欲しかった。勿論、シナリオが進むにあたって細かな解説もあり、最終的にはおおよそ頭に入るのですが…難解で理解するのに時間がかかるのは確か。
まあ、これらの「不親切さ」もある意味加賀さんの味と言えば味ではあるかも知れません笑。だからこそあえてフリーソフトにしたのかも知れませんが。
総評
フリーソフトとは言えこちらからお金を払いたいと思えるくらいの神ゲーでした。モヤモヤの残る(あえて残している)終わり方なので外伝も凄く気になるのですが…尋常じゃなく体力と集中力を要するゲームなので当分はやりたくない笑
今年中には着手したいところですね
ありがとうございました