はくてぃのゲーム語り

FE中心にゲームをつらつら語ります

トラキア776 20周年記念&考察

こんにちは。

ブログ開設して以来風花雪月の話しかしておりませんが、今日はトラキア776について語ろうと思います。

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先日、9月1日に本作発売20周年を迎えたんですよね。本当は当日書きたかったのですが、遅れました笑。販売形態が特殊だった事や、64全盛期の時代にSFCで販売した事もあって売上的には伸び悩んではおりましたが、シビアなシナリオ、そして難易度で今なお多くのファンに愛されている名作です。

しかしこの作品、一つの大きな謎を残しており、その謎を巡って20年経った今もなお論争が絶えない議題が御座います。

この時点で大体の方は察しがつくと思いますが、ナンナの父親は誰なのか?って話についてです。ベオウルフ派とフィン派で意見が分かれるところではありますが、率直に申し上げますと僕はベオウルフだと思っております。少なくともフィンではないのは間違いない。これからその根拠について説明していきます。

なお、他の考察サイトや二次創作でのアイデアをかなり参考にした上での、僕自身の主観に基づく考察ですのでご了承を。

ちなみに、トラキア776の公式サイトには登場キャラの親の欄があり、ナンナの母親に関しては当然ラケシスですが、父親欄に関しては現在空白になってます。実は当初「ベオウルフ」と明記されていましたが、削除されたようです。(ちなみにこれはフィンラケ派による電凸の結果だと言われていましたがそれはデマのようです。) 

 

話を戻して、まずフィン派の根拠としては

①ナレーションにて「フィンの娘」と紹介されている

②ラケシスがレンスターにいる

 

の2つでしょうか。しかしこれはどちらも根拠に乏しいもので

まず①に関してですが、ユグドラルには血の繋がらない親子が多数います。しかもトラキアの1章でナンナとセットで登場するマリータも「エーヴェルの娘」として登場していながら、血の繋がりはありません。そのため、この一文では判断はつかないでしょう。

そして②も根拠にはなり得ません。親が固定されていない聖戦の時点でもそうだったのですが、ラケシスがバーハラ後、デルムッドのいるイザークではなくレンスターに向かった事にフィンは一切関係なく、亡き兄エルトシャンの忘れ形見、アレスを探すためです。エルトシャンの妻グラーニェはレンスター出身であったため、夫亡きあとアレスを連れて実家に戻ったのですが、ラケシスはそれを探す形に。

しかし、アレスがジャバローに育てられたところを見る限り、恐らく見つからなかったのでしょう。そのため、これもフィン父の根拠になりません。

 

ここからが僕の持論なのですが、フィンが父親でないと断言出来る決定的なセリフがあります。それがこれ。

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「あの方」と言うのは間違いなくラケシスの事でしょう。呼び方が他人行儀なため夫婦ではないのでは?と言う意見が定説ですが、正直この呼び名に関してはあまり重要ではないと思います。仮に呼び捨てだとしても結論は変わりません。

重要なのはその後、「なんと言って詫びればいいのか」と言う一文です。

これ、実の娘に言うセリフではないと思うんですよね。例えば知り合いから子供を一日預かって、その子が迷子になったりしたら「なんと言って詫びればいいか」と言うのは理解できます。

しかし、自分の家族になにかあった時、誰かに謝る事を考えるでしょうか?答えは否。この一言こそが、フィンとナンナに血の繋がりがない事を証明する明確な根拠だと考えています。

ラケシスがデルムッドを迎えにイード砂漠に向かったのはナンナが幼い頃。母親がいなくなった事で寂しくなったナンナがフィンに「父親になって欲しい」、と言ったのでしょうが、フィンにとってはラケシスからの預かりものと言う意識が抜けなかったのかなと。二人の微妙な距離感がこの短いやりとりの間から受け取れます。

 

ですが、フィンとラケシスの恋愛関係まで否定するつもりはありません。少なくともフィン←ラケシスの感情があった可能性は極めて高いと思います。

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まず、ラケシスにとっての理想の男性像は、言うまでもなくエルトシャンです。兄のような男でなければ好きにはならないと公言していた姫。その点、フィンはエルトシャン同様「主君に仕える忠義の騎士」ですので、ラケシスにとって好意的に映っていたでしょう。しかしラケシスにはフィンを選べない理由がありました。

それはエルトシャンの死です。仕えた相手が悪かったとは言え、彼は忠義の為に命を落としました。家族であるラケシスを置いて。もし彼のような「忠義の騎士」を選べば、兄を失ったあの時のような絶望感に必ず襲われる。そう考えた彼女はエルトシャンとは正反対の生き方を貫く、傭兵のベオウルフを選んだのではないでしょうか。タイミング的にもベオウルフから言い寄ってきた時期だと思われますし。

もしかしたらこの時からラケシスはフィンに多少なり思いを寄せていたのかも知れませんが、上記の理由でフィンを選ぶ事はなかったのです。

しかし、ベオウルフはラケシスの本当の気持ちに最初から気づいていた。それが聖戦5章の会話の真相だと思いますね。

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この後のラケシスの反応を見ると、ラケシスは自分の気持ちをよほど知られたくなかったようです。「単にエルトシャンの事を指しているのでは?」と言う意見もありますが、彼女のブラコンっぷりはみんな知っている事なので、それも違うかなと。このセリフの前にベオウルフがフィンの名前を出していたのも気になります。

結局、ベオウルフはバーハラの悲劇で(恐らく)戦死、ラケシスはレンスターに向かう途中、ベオウルフから授かった二人目の子供であるナンナを出産し、それをレンスター家が保護した・・・と言った形になるでしょうか。

夫を失い、「アレスを探す」と言う使命も果たせず、生まれたばかりのナンナを一人で守らなければならない。そんな状況でフィンと再会したのです。フィンに対する恋愛感情が生まれる(もしくは蘇る)のも十分あり得たでしょう。

しかし、フィンはその気持ちに応えなかったか、或いは気づかなかった。9章でのセルフィナとの会話を見る限りは後者のような気がしますが、はぐらかしているだけとも取れます。

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どちらであっても、フィンの心は亡き主君に代わって使命を果たす事に占められていたと思うんですよね。ラケシスの気持ちに気づいていたとしても、主命が第一で恋など許される立場ではない、と思ってそう。

戦争終結後、フィンが姿を消し旅に出ていたのは、そんなフィンを見かねたリーフが暇を出したのではないかと思うのですよね。レンスターの騎士としてではなく、一人の人間として生きる時間を与えるために。

イード砂漠に向かったのは、やはりラケシス捜索のためでしょう。レヴィンの話ではラケシスはまだ生きているようなので、ロプトの地下遺跡で石化されている、と言うのが通説ですし、自分もその通りだと思います。

 

だいぶ長くなってしまいましたが考察としては以上です。

本当ならデルムッドが登場する際にフィンも顔を出してくれればハッキリしたのですが、あえてぼかしたのかも知れないですね。ただ、そういった「創造の余地」を楽しむのも、聖戦トラキアの醍醐味と言えましょう。そのせいで論争が激化しちゃったけど。

ちなみに今回のブログで使わせて頂きましたスクショの引用先です。

https://nico.ms/sm2153970?ref=share_others_spweb

https://twitter.com/sngamesn/status/960853716109684736?s=20

長文にお付き合い頂き、ありがとうございました。